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更新日:2014年03月19日
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BOSS GT-100を徹底解剖

GT-100
こんにちは! 楽器カテゴリー担当のコミヤです。

マルチギターエフェクターのマスターピース、BOSS GTシリーズの最新モデルGT-100を大解剖!
多くのアーティストから支持され続ける魅力をあますところなくお伝えします!

BOSS GT-100

多彩なサウンドを作り出すことができ、その音と操作性のよさでつねに高い人気を誇るのがBOSSのマルチエフェクター。今回紹介するGT-100は、最新のカスタムDSPにより進化したCOSMアンプを内蔵し、操作性も向上。同社マルチエフェクターのフラッグシップとなる製品だ(COSMとは、楽器の素材や回路、さらに電気的、電子的な影響、そして空間特性も含め、考えられるさまざまな要素をDSP処理し再現するローランド独自の技術)。

さまざまな製品で定評あるCOSMアンプは、従来のビンテージ・アンプをブラッシュアップ、さらに8タイプのオリジナル・アンプを追加して幅広い音作りが可能になっている。
また、ペダル一発でダイナミックなエフェクトを生み出せるアクセル・ペダルを備えるなど、ギタリストの興味をそそる機能が満載で、プロからの問い合わせも殺到、すでに品薄になっているショップもあるほどだという。そんな人気沸騰中のGT-100、どこがそんなにすごいのかを確かめてみた。

デュアルディスプレイ搭載、シンプルで操作しやすい設計

GT-100には、新しい機能がいくつも追加されているのに、外観は前モデルのGT-10に比べてかなりシンプルに見える。

つや消しブラックのボディが引き締まって見えるのも理由のひとつだが、ボタンの数もかなり減ったようだ。見た目で目立つのは、LCDディスプレイが2つ、つまりデュアルディスプレイになったことだ。

この2つのディスプレイは、たとえば通常の演奏時には、左側に"P31-1"というようにパッチ(アンプやエフェクトの組み合わせ、設定をひとまとめにしたもの)の番号が大きく表示され、右側には"STACK LEAD"というようにそのパッチの名前が表示される。
GT-100

デュアルディスプレイの搭載により、深い階層に入ることなく直感的なパラメータ操作が可能▲

パッチナンバーだけではその音の内容がよく思い出せないこともあるから、ステージで素早く音色の切り替えをするような場合に、名前で確認できるのはとても助かるはず。また、ディスプレイが2つあることで表示される情報量が多くなるのは、エフェクトの設定時などには特にありがたい。

左側にエフェクトの並びが接続図として表示され、そこから設定対象のエフェクトを選び、右のディスプレイでパラメータを調整する、といった感じでとてもわかりやすい。

パラメータがたくさんある場合は、PAGEボタンでスムースにスクロールできるし、対象の選択やパラメータの設定は、ディスプレイのすぐ下にあるつまみで行えるから、操作を間違えることもない。
ボタン類が減ってシンプルになったぶん、操作も簡単で使いやすくなっている印象だ。

利用価値の高いオリジナルのADVANCEDアンプと、実在アンプをモデリングしたVINTAGEアンプ

GT-100では、多くのエフェクトを組み合わせて使えるのだが、その中でも利用価値の高いのが、COSMテクノロジーによるさまざまなモデリング・アンプを使えるPREAMP(プリアンプ)だろう。このGT-100では、実在のアンプをモデリングした従来のCOSMアンプのほかに、オリジナルのADVANCEDアンプも搭載されている。ADVANCEDアンプは、「NATURL CLEAN」「FULL RANGE」「COMBO CRUNCH」「STACK CRUNCH」「HIGAIN STACK」「POWER DRIVE」「EXTREM LEAD」「CORE METAL」の8タイプ。ではその音を確かめてみよう。 まずは他のエフェクトをすべてオフにして、「COMBO CRUNCH」を選択。温かみのある心地よい歪み、そして粒立ちがよくまとまっているところはまさにコンボ・アンプらしいサウンドだ。ピッキングの強弱に対する反応もよく、タッチのニュアンスで音色や歪み方もかなり変化する。ジャズブルースロック、さまざまなジャンルで幅広く使えそうな音だ。


「STACK CRUNCH」も、ピッキングに対する反応のよいクランチサウンドだが、中~高域が強めになっていて全体にパワーが感じられる。ギターのボリュームによって、歪み方や低域の出方もかなり変わってくるので、こちらもオールラウンドに使えそうな音だ。もっと歪んだパワフルなサウンドが欲しいなら「HIGAIN STACK」がいい。これはビンテージ・マーシャルをもとにしたオリジナルアンプで、低域が豊かでとてもパワフル。しかもアタックもちゃんと出ていて、コードストロークの"ガツンと来る"サウンドが気持ちいい。


そして「POWER DRIVE」は、もっと激しく歪んだサウンド。歪みは粗く、低域がよく出ていてとても力強い。もちろんハードロック向きの音で、バッキングもリードもこれだけでこなせそうだ。さらに激しいのがデカいスタック・アンプを大音量で鳴らしたような「CORE METAL」。これでもかというほど豊かな低域ですごくずぶといし、アタックも強烈で大迫力。とにかくパワフルなメタルサウンドが出せるCOSMアンプだ。


クリーン系のアンプも利用価値が高そうだ。「NATURL CLEAN」はその名の通りクセのないクリーンサウンド。基本的にはギターの素の音で、あたたかみも感じられる。そして「FULL RANGE」はレンジが広くフラットなので、アコギ用としても最適なアンプだ。


また、実在のアンプを忠実に再現するCOSMアンプは従来あったが、これもリニューアルされてVINTAGEアンプとしてまとめられている。ローランドの名機"ジャズコーラス"JC-120をはじめ、フェンダーのツイン・リバーブの"CLEAN TWIN"、デラックス・リバーブの"DELUXE CRUNCH"、VOX AC-30TBの"VO DRIVE"と"VO LEAD"、メサ・ブギー・コンボの"BG LEAD"、その他マーシャル1959レクチ(Rectifier)Soldano SLO-100など17タイプ。これらを一つ一つ紹介すると、とてつもなく長い記事になってしまうので、残念ながら今回は省略するが、どれも非常にリアルで、弾いていて楽しくなるサウンドなのは間違いない。

チューブ・アンプ独特のニュアンスも再現、多彩な音作りができるパラメータを用意

これらのCOSMアンプでは、通常のアンプと同様にGAINやPRESENCE、TONEなどのパラメータで音作りが行える。ただし、実在のアンプにはないパラメータもある。たとえば「T-COMP」というパラメータがそれ。
チューブ・アンプを大音量で鳴らすと、コンプレッションがかかったような独特のサウンドになるが、このT-COMPはそれを再現するものだ。実際に使ってみると、基本的な音色や歪み方はそれほど変化しないが、確かにチューブ・アンプのコンプレッションが感じられる。
GT-100

ユーザー・インターフェースが一新された。8つのつまみで、欲しい音を直感的につくることが可能だ▲

設定によってピッキングに対する反応も変わるのが面白い。自分の奏法や曲調に合わせて、ちょうどよいところを見つけておくといい。「T-COMP」は、音量を大きくしなくてもあのニュアンスを再現できるのがとても便利。自宅での練習や録音にはもってこいだし、バンドの演奏時にも、一人だけとてつもない大音量で全体のバランスを崩し、他のメンバーに怒られることもなくなるだろう。


また、ソロ用の音色に切り替えられるソロ・スイッチ(SOLO SW)もある。
音の変化のしかたはアンプのタイプによって若干違うが、基本的には中域が持ち上がり、より強く歪むようになってパワフルなリードサウンドになる。ソロのときにオーバードライブなどでブーストするという方法もあるが、基本的な音色をあまり大きく変えたくない場合には、このソロ・スイッチを使うのがいいだろう。
このほか、1×8"、4×12"などのスピーカーのタイプや、その出力を拾うマイクの種類や位置までシミュレートすることができるので、アンプだけでも実に幅広い音作りが可能だ。

使えるエフェクトを多数内蔵

GT-100
GT-100ではPREAMPのほかに多数のエフェクトを組み合わせて使うことができる。
使えるのは「COMP(コンプレッサー)」や「OD/DS(オーバードライブ/ディストーション)」、「EQ(イコライザー)」、「DELAY(ディレイ)、CHORUS(コーラス)」、「REVERB(リバーブ)」、「PREAMP(プリアンプ)」、「NS1/NS2(ノイズサプレッサー)」、そしてタッチワウやオートワウ、リミッターなどを割り当てられる「FX1」と「FX2」。

また、本体左側にある大きなEXPペダルは、ボリュームペダル、またはワウペダルとしても使用可能になっている。一般的なギター用エフェクターはすべて網羅しているという感じだ。
この中でもっとも活躍しそうなのは歪み系エフェクトの「OD/DS」だろう。「OD/DS」もPREAMPと同様に、既存のエフェクターなどをモデリングしたVINTAGEと、オリジナルのADVANCEDが用意されていて、VINTAGEが11、ADVANCEDが10、そして自由にカスタマイズできるCUSTOMが1、合計22のタイプを選択することができる。ADVANCEDには、ブースターやオーバードライブ、ファズなどが用意されている。

▲エフェクトやEZ TONEのモードに入るのも簡単。大きなEXPペダルは、ボリュームペダル、またはワウペダルとしても使用可能だ

たとえばブースターなら中域を持ち上げるMID BOOST、よりブライトなTREBLE BOOST、最近はやりのCLEAN BOOSTの3タイプがあり、目的に応じて選ぶことができる。面白かったのはMID BOOSTで、中域だけがグッと出てくるので、ちょっとクセはあるが、カラッとした歪んで明るいパワフルなキャラクターになる。サスティンも伸びるのでソロで使うのにいいだろう。オーバードライブではNATURL ODが心地いい。歪みが自然な感じで、粒立ちがよく一音一音が明瞭。低音弦の迫力も十分だ。またディスト―ションのMETAL DSは、中低域が強く、音がつぶれたように激しく歪んでいて、すぐにフィードバックしそうな荒々しいサウンドだ。へヴィなリフに向いているが、ノイズも出やすくなるので、ノイズサプレッサーと組み合わせて使うのがオススメだ。 VINTAGEには、BOSSの人気コンパクトエフェクター、BD-2OD-1OD-2をはじめ、MXRDISTORTION+Electro-HarmonixBig Muffなど、オーバードライブ/ディスト―ションの名機中の名機をモデリングしたタイプがズラリ。これらのエフェクトとPREAMPを組み合わせれば、どんな歪みサウンドでも作り出すことができそうだ。

GT-100
エフェクトは、もちろん好きなものを選べるし、順序を自由に入れ替えることもできる。そしてそれだけではなく、エフェクトの配列(チェイン)を2系統作り、切り替えて使ったり、2系統を同時に使ってミックスしたりすることができる。エフェクトの並びの中に「DIVIDER(ディバイダー)」を入れると、そこからチェインがチャンネルAとBに分岐され、それぞれに自由にエフェクトを配置することができる。そして2つのチェインは「MIXER(ミキサー)」でミックスされるという仕組みだ。

▲エフェクトの配列を2系統作り切り替え可能。2系統を同時に使ってミックスしたりすることもできる。2つの配列はMIXERでミックスされる。

「DIVIDER」をシングルモードにすれば、ギターから入力された信号はチャンネルAまたはBのどちらかひとつだけを通過し、チャンネル切り替えによって使うチェインを切り替えることができる。切り替えはペダルを踏むだけなので、本当に瞬時に音色を変えてしまうことができる。これだけなら、パッチそのものを切り替えても同じなのだが、この機能はチャンネルごとに出力する端子を変更できるところがスゴいのだ。MIXERのMODEをPAN L/Rに設定すると、チャンネルAが選ばれているときはGT-100のLチャンネル、BのときはRから出力される。つまりラインセレクターとして使えるわけで、たとえばチャンネルAは歪んだサウンドでスタック・アンプにつなぎ、Bはクリーンにしておいてラインでミキサーに送る、といったこともできるのだ。


もう一方のデュアルモードでは、AとBの両方のチャンネルが使われる。ここで面白いのは、ピッキングの強さや信号の周波数で使うチャンネルを選択したり振り分けたりできることだ。ピッキングの強さでチャンネルを選択する機能はGT-10と同様のもの。たとえば、チャンネルAを軽い歪みのチャンネルにし、Bは「STACK CRUNCH」アンプと「OD/DS」のMETAL DSで激しく歪むようにして、弱いピッキングがチャンネルA、強いピッキングがチャンネルBとなるよう設定してみる。これで、ピッキングを徐々に強くなるように弾いていくと、途中から劇的に音が変化して、同じフレーズでも表情が一変する。ソロで使うとかなり面白い効果を得られるだろう。また、周波数でのチャンネル振り分け機能を使うと、高域と低域で異なるエフェクトをかけることができる。たとえば、モワッとした低域だけにディレイがかかるなど、通常のエフェクターではできない音作りが可能になる。

飛び道具となりそうなアクセル・エフェクトとフレーズ・ループ

GT-100
GT-100には、「ACCEL/CTL」ペダルを踏むだけでダイナミックに音が時間的に変化するアクセル・エフェクトも搭載されている。

アクセル・エフェクトは6種類。

たとえば「S-BEND」は激しくベンドがかるエフェクト。ベンドする量や速さも細かく設定できるので、スティーヴ・ヴァイがよくやるアレ(ループ)を、ペダル一発で正確にキメることができる。

また「TWIST」は、トレモロのような効果で左右に激しく振れるエフェクト、「LASER BEAM」は昔のSF映画でよくあるレーザービームのようなサウンドを生み出すエフェクト。ライヴなどではここ一発の飛び道具として活躍しそうだ。アクセル・エフェクトとしてはこのほかにリングモジュレータやフィードバッカーなどもある。

▲「ACCEL/CTL」ペダルを踏むだけで音が時間的に変化するアクセル・エフェクトは6種類用意されている。

また、最大で38秒のフレーズを録音することができるフレーズ・ループ機能も搭載する。もちろん再生中にどんどん重ねて録音できるから、クイーンブライアン・メイの「ブライトンロック」のようなことだって簡単にできる。 GT-100

フレーズ・ループ機能も搭載。モノラルで最長38秒のレコーディングを実現している▲

さらに、エフェクトを通った後の音だけでなく、エフェクト通過前の生音を録ることができ、再生時にエフェクトをかけることもできるから、音を聴き比べながらエフェクトの設定を行うことができる。これは驚異的に便利だ。

簡単にエフェクトエディットできるEZトーン、PC連携など多彩な機能

GT-100
豊富なエフェクトを内蔵するGT-100だが、EZトーン・モードを使えば、自分のオリジナルの設定を作るのも簡単だ。

EZ TONEボタンでEZトーン・モードに切り替えると、「PATCH CREATE」「AMP CUSTOM」「OD/DS CUSTOM」の3つのメニューが表示される。「PATCH CREATE」を選ぶと、BLUES、JAZZ、80's METAL、PROGRESSIVEといったジャンルを選ぶことで、それに適したPREAMPが自動的に設定され、さらにグラフのような画面でソロ向き/バッキング向き、ソフトハードの度合いを決めれば歪み具合や音の広がりまでを簡単に決めることができる。

▲EZトーン機能を大幅に強化。「PATCH CREATE」「AMP CUSTOMIZE」「OD/DS CUSTOMIZE」の3つのエディット・モードを搭載。

「AMP CUSTOM」や「OD/DS CUSTOM」も同様にアンプやオーバードライブのタイプを選び、グラフで設定を行うだけで、基本的な音色を完成させることができる。


「AMP CUSTOM」や「OD/DS CUSTOM」も同様にアンプやオーバードライブのタイプを選び、グラフで設定を行うだけで、基本的な音色を完成させることができる。パラメータのことがわからなくても感覚的に操作できるし、もちろん弾いて音色を確かめながら設定できるので、初心者にはありがたい機能だ。 さらに、GT-100はUSBオーディオ/MIDI機能も持っているので、PCと連携することができる。DAWソフトで曲作りを行う場合にはとても便利だ。USB経由でGT-100のエフェクト音やエフェクトをかけないドライ音をPCに出力できるのはもちろん、PCから返ってきた信号にエフェクトをかけられるREAMPモードもある。いったん録音したフレーズの音をさらに変えたり、1台のアンプではできない歪みを作ったりと、通常のアンプとギターのシステムではできないこともいろいろとできるのは本当に面白い。


このほかにも、メトロノームチューナーも内蔵していて、至れり尽くせりといった感じ。ギター本体とシールド、それにこのGT-100さえあれば、ギターでやりたいことはすべてできてしまうのではないかと思ってしまうほどの充実ぶり。音もよければ操作も簡単、機能も豊富。そして現実のアンプやエフェクターでは難しいことも簡単にできてしまうGT-100。発売間もないのに人気が沸騰している理由がよくわかった。

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