| 陶芸への熱い思い
陶芸と世良公則さん、一瞬「んっ?」と思われる方も多いことと思います。 実は世良さん、今年のはじめ縁あって、NHK「趣味悠々」という番組で焼き物の里をめぐる旅人として出演されました。無類のお茶好きだという世良さんが陶芸にハマってしまったわけと魅力を、ミュージシャンという別の世界でものを作るアーティストとしての視点で語っていただきました。 写真:製作中の世良公則さん |
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お茶好きから器好きに、それが高じて...... ■今日は"ミュージシャン・世良公則"さんではなく、プロのミュージシャン、アーティストとしての顔を持つ世良さんが、どうしてテレビ番組にまで登場し「陶芸をやろう」と思われたのか、そのきっかけを聞かせていただきたくお邪魔しました。 はい。了解しました(笑)。 基本的には僕はお茶(日本茶)が好きなんですよね。コーヒー、紅茶等も好きなんですが特に日本茶が大好きで、しかも僕は甘党なので甘いものにはお茶。だからお茶をいただくのが好き、から始まったんです。 友人とお茶をしに出かけたときに、たまたま日本茶とお菓子のカップリングがおいしいと評判のお店を見つけて、そこに通っているうちにお茶の淹(い)れ方を教わるようになり、これなら「自宅でおいしいお茶が淹れられるかもね」ということでそこで売っていたお茶と急須を購入し、以前からちょっとしゃれた器をロフトとかFranc Franc(フランフラン)で買ってあったのでそれで楽しんでいたんです。 そのうち通っているお店に並んでいる茶器やお茶碗を「やっぱり土はいいね、土の香りがするよね」っていいながら触らせていただくうちに、デパートの陶芸展や陶芸ギャラリーに立ち寄るようになって、「今度こういう器でお茶を飲みたいな」と思うようになったんです。 仕事で地方に出かけたときには、時間があるとそういうギャラリーにふっと顔を出して拝見したりと。 前に事務所を構えていた界隈でも、近くの商店街のお店にちょっと気になる器があると、僕は自分で料理をするので「この大皿だと全員分炒め物を作っても一気に載せられるしいいよね」と......。お茶を飲むという趣味からどんどん器に興味が移っていったんです。 そしたらたまたま、名古屋のNHKのプロデューサーの方が、デビューからずっと僕の大ファンだとおっしゃってくださって、ダメもとで曽我(事務所代表)に「美濃地方の焼き物を"趣味悠々"という番組で紹介することになり担当するのですが、ずっといっしょに仕事をしたいと思っていた世良さんに旅人として出演していただけないかと思いまして......」とオファーをくださったんです。曽我は「ちょうど世良はそういうものに興味があるし、自分たちもそれに触れることで世界も広がるでしょうし」ということでお受けしたのがスタートなんです。 10年来のお茶好きが高じて器好きになり、まさか自分が作ることになるとは想像していませんでしたけどね。 NHKの仕事で美濃や越前に通うようになってから作る側になり、陶芸作家の人たちと出会いってことがここ1年でワーッと起こったんです。 余談ですが、ロスにレコーディングに行ったときもひと揃え持って行って、エリック(・ゴーフェン)は日本通で備前(焼)が好きなんですが、エリックと彼の友人のミュージシャンたちにひくーい温度で玉露を淹れて振舞ったんですね。そしたら彼らは口をそろえて「日本茶は苦いと思って敬遠していたんだけど、本当はこんなに甘いんだね、おいしいねー」って言ってくれて。それまでコーヒータイムといっていたのがティータイムに変わって、僕が淹れた日本茶をみんなで楽しむってことがありましたね。 |
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今ではスケジューリングするときも陶芸を念頭に 番組のおかげでつながった人たちとは今でももちろん交流をしています。 名古屋にライブで出かけるときには、ちょっと早めに出て七代加藤幸兵衛先生のところで作らせていただいたり。暇をみては通うようにしたいと思っているんです。今は素焼きの第2弾があるんですよ、窯に。今度は釉掛け(ゆうがけ)をしに行きたいと思っています、時間をみてね。名古屋から多治見の幸兵衛窯(外部リンク)までは小一時間もあれば行けるので、陽の高いうちにそこでやらせていただいて。取って返して浜松に行ってライブをやるとかね(笑)。 最近のスケジューリングはそれを念頭に置いてやることになっているんですよ(笑)。 曽我さん:土を多治見から送っていただいて、最初は練る訓練にと言っていたんですが、手びねりならできるよねという話をしているんですよ。 そう。土を手でひねったりとか、ひも状にしたものを積み重ねたりとかね。 いろんなやり方があるんですが、(実際に手を動かしながら)これくらいの小さな土の塊(かたまり)を作って、指を入れながら器状にしていくんですよ、こうやって。それならろくろがなくてもできるよねって話をしているんですよ。それを窯に送って陶芸教室の生徒さんの作品を焼くときにでもついでに素焼きしておいていただいて、仕事の途中によって釉掛けだけして何かのついでに焼いておいてくださいって置いていけば、焼きあがったら送ってくださるのでね。 ■スケジューリングまで陶芸中心に(笑)。もう東京で土をいじっちゃおうか、というところまで入り込んでいるんですね。 (一同笑) そうなんですよ(笑)。もう曽我なんて通販の陶芸セット(Y!ショッピングへ)まで見つけちゃっていますから、あとはハンズに行って下に敷くマットとか探して。あと通販の陶芸セットだと僕のやりたいことをやるための工具が足りないから、まるで違う用途に使うものなんですけどそれも探しに行こうかなと思っているんですよ。削るためのものなんですけどね。 そのうち、その辺で(とバルコニーのほうを指し)タン! タンって土をぶつけて空気を抜いて塊を作って、指を入れて......とね(笑)。抹茶茶碗作りとかがそのうち始まるんだろうなあと思うんですよ。 |
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先日も個展を控えてお忙しいときにお邪魔しちゃったんですけど、創作の手を休めて見に来てくださって「あ、ここはこうしたほうがいいですよ」「あ、そうですか」と言いながらやる時間を作る、彼らとじかに会うこともひとつの目的ではあるので。 すごく年の離れた友人に会いに行くというか、師匠に会いにいくというか。やっぱり教えを請うには自分が足を運んで距離と時間を費やして教えてもらうってことが大事じゃないかなって思うんですよね。 それとなかなか窯を焚くときに行けることってないんですね。で、一度1300度の窯の熱をじかに体験したんですが、「今度やっておきますね」って言われるとそのときの体験がよみがえって、三日三晩火を絶やさずにやってもらうってことを考えるだけでホントに申し訳ないって思うし、それで完成したものが届くと喜びもひとしおなんですよね。ホント、僕も時間があれば三日三晩火の番をお手伝いしたいなと思うんです。薪を運ぶくらいだったらできるしね。 そういうことひとつひとつを共有したり共同で作業できたりっていうプロセス、ものづくりをいっしょに体験したり体感することでしかわかりあえないこともあるので、かんたんにそこにポンッとたどり着いちゃうっていうのはちょっとね。ものが揃っていればできる、とお考えになる方もいらっしゃると思うんですが、揃っていてもできないっていうことを学びたいわけじゃないですか。やっぱりその道の達人にしか教えられないことってのがあるのでね。 番組で使ったテキストがあるんですけど、これを僕は持ち歩いて何度も何度も読み返すんです(笑)。ホントに何度も何度も熟読してプロセスを頭に入れて、なおかつこれを持っていくんですよね。やるときにはもう見ないんですけど、行くまでの距離と時間にお勉強して行くんです。まだまだ始まったばかりの道なので。ただ、彼らの作品を見ていると「いつかはこういう作品を作りたい!」って思いますよね。 空いている時間があると、今までは(ギターのストロークの手つきで)こういう感じでしたけど、今では(ろくろを回してこねている手つきで)こうなっちゃうんですよね。「世良さんの手のシェイプは陶芸に合っている」っていう先生のおだてに乗って作らせていただいていますよ。 (一同笑) いつも触れられるわけではないのでイメージトレーニングは大事ですよ。 ■お茶や器に興味があって、世良さんみたいに「やってみたいな」と思っている方ってとても多いような気がするんです。 今ね、都内にも陶芸教室っていっぱいあるんですよ。 このあいだある番組を見ていたら、そこの陶芸教室に行くと唐津だったり伊賀だったり備前だったりという全国の窯の土を取り寄せて、生徒さんの希望に対応できる教室が紹介されていたんですがあちこちにあるみたいなんです。僕のこんな話でも興味を持っていただけた方はちょっと探すと、意外と自分の住んでいる街の近くにあるんですよ。 曽我さん:NHKが調べたら全国に1万件ほどあるようです。 身近に陶芸教室がありますからそういうところに行ってね。土をこねるところから体験できますし。まあ、ガス窯や電気窯で焚くこともできますが、ちょっとしたツアー気分でお出かけすれば薪で焚く窯もまだまだありますので、ぜひ。 ※注:2010年6月25日現在、Yahoo!検索で「陶芸教室」を検索すると714万件ヒットします。「陶芸教室 東京」だと212万件ヒットします。 |
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若手陶芸家とのコラボレーション~ヤング・ブラッド~ ■私も行ってみたくなりました。ところで世良さん、加藤亮太郎さんをはじめとする若手陶芸家のみなさんともおもしろい試みをされたようですが、その辺のこともお聞かせいただけますか? 先ほども出てきた幸兵衛窯でやっている市之倉さかづき美術館というギャラリーで、『[陶展]世良公則feat.新世代陶芸家展 young blood ~ヤング・ブラッド~』なるものを開催したんです。 若手の陶芸作家、山田想さん(常滑)、山田大さん(越前)、見附正康さん(九谷)、岸野寛さん(伊賀)、清水志郎さん(京都)、辻村唯さん(奈良)、伊勢崎晃一郎さん(備前)そして幸兵衛窯の加藤亮太郎(美濃)さんが集まってくれまして、一人10数点ずつ出品してくださってそれをブースにして、僕が編集した作陶風景のビデオをギャラリーで流したんです。ビデオのBGMはビリー・ジョエルやロッド・スチュアート、ブライアン・アダムスといった洋楽にしてね。 やはりそういう洋ものとのミクスチャーっていうのは彼らは経験がなかったみたいなんですが、彼らの作品が並んでいて、美術館の持つ独特な雰囲気のなかにモニターから映像とロックミュージックが流れているっていうコラボレーションです。 彼らは30代の若手ばかりなのでそういう若さを演出しようと思ってね。ただ、先生がたがなんておっしゃるかなと思っていたのですが、「こういうのもいいね」ととっても喜んでくださったんですよ。「こんなところでロックだなんて......」と言われるかなと少し危惧していたのですが、窯のみなさん喜んでくださって。次はレッド・ツェッペリンやジミ・ヘンドリックス流そうかなとかね(笑)。少しでもお役にたてればと思っています。 30代の若手陶芸家の人たち、彼らが背負っているものって相当大きいんですよ。 安土桃山時代だったり平安時代だったり、大陸から陶器がたどりついた時代からだったりする。そういう時の流れを背負ってさらにそこからオリジナルなものを作り出そうとしている。僕らのやっているロックなんてたかが4、50年程度でしょ。山田想くんのおじいさまの山田常山先生と加藤亮太郎くんのおじいさまの加藤卓男先生が人間国宝ということもあり、小さいころからのプレッシャーはいかほどだったかと思うんですね。 ただ、彼らはとってもカジュアルで、アーティストっぽいんだけどアーティスト然としていないというか。礼儀正しいし、言葉遣いも実にしっかりしている。すごく広い視野を持っていますしね。 作家としての鋭さを随所に宿ってはいますが、自然体でおつきあいできる人たちだったので逆に僕が驚いたんです。継承しながらも自分のオリジナルを出していく。決まった形、決まった釉薬、決まった土というのがその土地土地にあるわけで、それを受け継ぎながらも同じような形なんだけどそのなかにも自分の個性を出さなければならない。壊してもいけない、でも壊さなければ何も生まれないという狭間でね。 音楽でいえばジャズのような要素も持っていながらロックのようなエネルギーを出さなければいけないこともあれば、ちゃんとクラシックとして受け継いでいかなければならないっていう絶妙なバランスのうえに彼らの感性とか存在があると思ったときに、僕は彼らのお父さんくらいの歳だったりするわけで、同じものを作る人間同士としてふつうにしゃべれるんですよ。彼らから学ぶことも多いし。 彼らに言わせると僕は「話せる大人」らしいんですよ(笑)。彼らの世界でも大人にはしきたりがあったり、彼らにとっても敷居の高いところがあったり、自分たちの感性と考え方だけではずべては進められないというもどかしさがあったり。でも、それをちゃんとはね返しながら吸収しているし、その逆もあるっていう力のバランスのエネルギーを彼らに感じるんですよね。 30代の彼らは自分をアーティストだとはなかなか言わないんですが、「先生」と呼ばれることをとっても嫌がるんです。ちゃんと陶芸家と呼んでほしいと。アルバム1枚出したら「アーティスト」と呼ばれる音楽界とはずいぶん違いますね。 作品についても、食卓に並んでこそ価値があるというんですね。 ただ鑑賞するものだけを作るのは自分たちの役割ではないと。多くの人に使ってもらい喜んでもらい、使っているうちに色が変わったり変化が起こったり、自分が思ってもいない用途で使ってもらったり。それを生業としているんです。ウインドーの向こうに飾られるような芸術性の高いものも芸術家、陶芸家としての道である。一方で陶芸家として作るものを生活のなかで使ってもらわなければならないという使命もある。そこからあまりにかけ離れたものを作って先生になってもしようがない、というようなことを語ってくれたことがありました。 ■いいお話をありがとうございました。次にお邪魔するときには、この部屋の片隅に陶芸セットが鎮座しているかもしれないことを期待していますね(笑)。 こちらこそありがとうございました。どうなっていることやらですね(笑)。 |
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前から気になっていた陶芸。
ますますやってみたくなりました!
NHK趣味悠々楽しく拝見していました。
世良さんと新世代陶芸家展と陶芸体験にもうかがうことができました。
テレビで見た時も驚いたのですが、世良さんの実物の陶芸作品はすばらしく力がありました。
のめりこむのも当然ですね。
幸兵衛窯は、陶芸体験だけではなく、古陶磁資料館や工芸館
さかづき美術館などもあり、初めての訪問でも一日ゆっくりと楽しめますね。
陶芸の魅力はもちろんですが、加藤幸兵衛先生や、亮太郎さん、妹さん他スタッフの方々の
あたたかさと熱意にも心が惹かれます。
私も趣味悠々拝見していました。とても楽しそうに陶芸なさってる世良さんでしたね。
私、北海道在住ですが、こちらでは小樽焼きなどもございます。是非こちらへも足を運んでいただきたいですね。
世良さんが陶芸を!!作品見てみたいです。いろんなところで、『[陶展]世良公則feat.新世代陶芸家展 young blood ~ヤング・ブラッド~』を開催していただきたいです。
今後の活躍を楽しみにしております。
世良さんの作陶を拝見させて頂き、ミュージシャンの魂がそのまま陶芸に生かされているなと感激致しました。自由な表現こそ、素晴らしい芸術が生まれることを再確信致しました。
世良さんの音楽と陶芸のコラボレーションを通し、表現の境など何もない!!を世界中に伝えていって頂きたく思います。
趣味悠々拝見していました。
世良さんくらいになるとやはり音楽だけじゃなく”自分”を表現したくなるんだろうなーと感じていました。
世良さんの作品を食卓に並べてみたいですね。
ヤフーには世良さんオススメの若き陶芸家を紹介、なんてのもやっていただきたいものです。
世良さんの趣味悠々毎回楽しみに見ておりました。
世良さんの陶芸に対する情熱を凄く感じる事が出来
作品展まで開催され素晴らしいです。
若手陶芸家達も、さすが!世良さんが選ばれただけある
実力ある若者ばかりですね!
是非この同メンバーで東京でも作品展開催して下さい。
趣味悠々見たい・・・
再放送ないの?
検索ページで終了分が見られないみたいなのですが。
世良さんのアーティストとしてのこだわりや、ストイックさが、とても伝わってきました。
ライブもとても素敵ですが、また新たに世良さんの世界が広がり、より一層音楽にも深みとやさしさが増すことでしょう。
心から応援しています。
趣味悠々に出ていらしたこと知りませんでしたし、
楽しみを見つけて人生が豊かになりましたね。
素晴らしい事です。応援しています。
毎週楽しく拝見しました。
なんでも上手にこなしてしまうことに驚きでした。
アーティストという職業の方々はセンスが良いんですね!
これからの音楽活動に多大な影響があったのではないかと
感じました。
デビュー前からのファンだった世良さんが、陶芸をされているのを見て、茶道を愛する者としては、感無量です。
ぜひ、単なるお茶ではなく、古来から伝わった茶道を極めていただきたいです。茶の道は奥が深いです。更に道を究めれるのではないでしょうか。
昔からの友?のように自分では勝手に思っている世良さんファンの私。
その世良さんが、NHKの陶芸の番組で製作をされるって知って、何を措いても見なくては!!と・・何故かって世良さん大好き!陶芸大好き!の私ですからね。 良かったです。体験の感覚がそのまま伝わってきて、楽しい陶芸!に嬉しくなりました。
私は、田舎に住んでいますが、1度コンサート(九州)にも行けました。
又機会を作って、必ず歌声を聴きに行きたいと・・祈っています。 絵も描いてみませんか? 私は絵と陶芸に頑張っています。
これからのよりいっそうのご活躍を期待しています。